「漢方医学」とは(1)

「漢方医学」とは東洋医学から派生した学問で、その概念や療法は、いくつかの分類に分けられています。

例えば、ハリやお灸、ツボを刺激する物理療法を鍼灸医学、漢方薬などの薬物を使用する療法を「漢方医学」と分類されます。

特にツボ療法やハリ治療は、生体観察をしつくした結果の賜物であり、生体の身体の構造をよく把握した上で行う療法や治療は「東洋医学」の中でも抜群の効果が期待出来ます。

「東洋医学」では、漢方薬などの薬物を使用する療法を「漢方医学」と呼んでいますが、その定義は「なるべく自然で身体に害のないもの」とされています。

その中でも「漢方薬」として処方されるものは、様々な調合・実験を重ね、身体に良さそうなもの、また効果のありそうなものを厳選し、組み合わせ、試行錯誤の末、ようやく完成されます。

それこそ気の遠くなるような長い年月を経て、「東洋医学」は発展してきたのです。

「漢方薬」の材料には、草花の根や木の実、木の皮などを用い、本当に価値あるものだけを選抜し、選抜されます。

その中には「西洋医学」の方法では対応できないけれど「漢方医学」でなら、うまく対応できるものが多く、治療の幅も格段に広いため、病気や体調不良の要因によって、優れた効果が期待できるのです。

「漢方医学」とは(2)

「漢方医学」では、生体の基本的な身体の構成要素を「気・血・水」と、大きく3つに分け、以下のように分類しています。

生体の基本的機能単位「五臓・六腑・奇恒の腑」

「五臓・六腑」とははらわた内臓を含めた身体の中のもの全てということです。
これを詳しく要約すると以下のようになります。

  • 「五臓」:肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓
  • 「六腑」:胆のう・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦
  • 「奇恒の腑」:脳・髄・骨・脈・胆・子宮

注)「奇恒の腑」の「奇恒」とは「普通ではない・平常ではない」と言う意味です。

「臓」に似て「臓」でなく「腑」にも似て「腑」でもなく・・・。
形態は「腑」に似ていますが、性質や働きは「臓」に似ているもの。

一般の「臓」と異なっているところが「奇恒」といったところでしょうか。
「腑」のように中空で「臓」のような働きをする内臓のことです。

「諸臓腑」「組織・器官」を協調的に機能させる連絡経路「経絡・三焦」

「経絡」の「経」は「経脈」を「絡」は「絡脈」を意味します。
「代謝物質」の通り道として「経脈」は縦の脈「絡脈」は横の脈を表します。

注)「三焦」を細かく分類すると「上焦・中焦・下焦」と分けられ、その3つを総称したものを「三焦」と呼びます。

  • 「上焦」:胸腔
  • 「中焦」:腹腔上部
  • 「下焦」:腹腔下部
  • 「その他」:リンパ管・血管・内分泌系・神経系・免疫系・呼吸器・消化器・排泄器なども含む、全ての総称。

生体の協調・平衡関係を司る「陰陽五行説」

古代中国では、自然界のあらゆるものを「宇宙」になぞらえ「陰」と「陽」に区分しました。

「陰の性質・陽の性質」

陰の性質とは、より物質的で「固まるエネルギー」です。
よりゆっくり、より冷たい性質があります。

陽の性質とは、非物質的で「動きのあるエネルギー」です。 より速く、より温かい性質があります。

「陰と陽」の分かりやすい例を挙げると「太陽は陽で、月は陰」「表が陽で、裏が陰」「昼間が陽で、夜が陰」「奇数が陽で、偶数が陰」という具合です。

これを人間の身体に当てはめると、生きるエネルギーや力強さが「陽」であり、その逆が「陰」に当たります。
こうした思想を「陰陽思想」といいます。

これらの思想が「五行」と結びつき、自然界は「木、火、土、金、水」の「5つの要素」で成り立っていると考えられてきました。

「陰陽五行説」

「五行」の「行」という字は「巡る・循環する」という意味を持ち「5つの要素」が循環することで、宇宙のありとあらゆるものが生成され、自然界が構成されていると考えられていたのです。

この「5つの要素」は、全てが互いに影響し合い、その中でも相性が良いとされる「相生」相性が悪いとされる「相剋」、そしてますます盛んに強くなるとされる「比和」などが含まれています。

このページの先頭へ