ペットの「ストレス」について(1)

「ストレス」とは何も、人間や知能の高い高等動物だけが感じるものではありません。

何らかの精神的な重圧が起因し、極度の緊張状態やプレッシャーに晒されると、私たち人間を含め、生き物は少なからず、何らかの「ストレス」を感じます。

自分の中で処理しきれないほどの精神的負担は、苦痛や苦悩を伴って「心」はもちろん「身体」までをもむしばんでしまうのです。

「ストレス」の主な症状としては、

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 倦怠感
  • 原因不明の痒み

などなど・・・。

また、何もやる気が起きず、1日中部屋でゴロゴロしてしまう。
やらなければならないことで頭はいっぱいなのに、行動できない。

この心の焦りや悪循環が、ますます自律神経のバランスを乱し「ストレス」を引き起こすのです。

そして、ストレスを引き起こす要因になる問題が、自分ではどうにもできなくなってしまったとき、身体は悲鳴を上げます。

そうなってしまうと、もはや自力で立ち直るのは難しく、心の問題を扱う専門医に相談しなければならなくなります。

ペットの「ストレス」について(2)

実は、この「ストレス症状」はペットにも表れます。

寝たい時に寝て、食事は飼い主が世話をしてくれる。
毎日決まった時間に散歩に連れていってもらい、食べて、また寝る。

「これほど自由に生きているペットに、ストレスなんて・・・」と思いますか?

ペットにも「心」があり「感情」があります。

長年過ごした家から、いきなり環境が変われば、ペットはその変化に戸惑い、不安を感じます。

例えば、普段から一緒に居る仲間や仲良くしていた友達、大好きな主人の突然の死。

今まで当たり前だった日常が急激に変化すれば、ペットも「悲しみ」という感情を抱くのです。

人のように涙を流して憂うことはなくても、ペットはペットなりに、不安や悲しみをを抱え、心に傷を負うのです。

また、犬という動物は非常に暑さに弱い生き物です。

精神的な苦痛はもちろん、気温による激しい温度の変化やアレルギーの不快感など、生理的な身体の異常も、犬にとってはストレスになります。

場合によっては、ストレスから死に至るケースもあり得るので「たかがストレス」と侮ることは出来ないのです。

ペットの「ストレス」について(3)

では、この「ストレス」とは、どのようなものなのでしょうか?

生き物の身体には「自律神経」という生体機能調節を行う「体内ホルモン」があり、その「体内ホルモン」の「交感神経」と「副交感神経」が、上手にバランスを調節しながら、生き物の身体の健康を維持しています。

この「交感神経」が働いている状態のことを「ストレス状態」、いわゆる「緊張状態」といいます。

反対に「副交感神経」に切り替わると、身体は「緊張状態」を緩め、リラックスモードに切り替わります。

生き物の身体が「ストレス状態」または「緊張状態」にあるとき、身体は無意識に反応し「危険」を回避しようとします。

このように「ストレス状態」または「緊張状態」を維持することで、生き物は「危険」な状況に直面したとき、咄嗟の判断を下せるわけです。

私たち人間は、ことに「ストレス」が何もなく、穏やかに過ぎる毎日を理想的と思いがちです。
しかし、刺激も変化もない日常は、あまりにも退屈です・・・。

そのような、一見、理想的に思える毎日を過ごすうちに「ストレス」がないことを逆に「ストレス」と感じるのですから、人間とは、なんとも難しい・・・いえ、繊細な生き物ですね。
何事も「絶妙なバランス」が大切なようです。

ペットの「ストレス」について(4)

この「ストレス」ですが、まるで存在自体が悪いもののようなイメージで捉えられがちですね。

しかし「ストレス」は、私たち人間を含め、動物が生きていくために実は、必要不可欠なものなのです。

「ストレス」なくして、生き物が安全に生きていくことは、ほぼ不可能です。
これは一体、どういうことなのでしょうか?

ここで「危険予知」について考えてみましょう。

分かりやすいように、私たち人間が行う行動を例に挙げて紹介します。

「危険予知」とは、自転車を乗る際、車の運転をする際、刃物を扱う際など「その状況で起こりうる危険」または「その行動から予測しうる、事前に考えられる危険」をあらかじめ予測し、それを回避しようと努める心理のことです。

例えば、犬や猫などのペットは、もともと野生の中で生きてきた動物ですが、長い年月を経て人間に飼いならされることで、完全に野生を忘れてしまったようにも見えます。

しかし、野生の本能は、ちゃんと残っています。

これは、ペットの犬や猫などに限らず、もともと全ての生き物に備わっている生き抜く力という「本能」です。
それがセンサーとなり、敏感に周囲に意識を働かせます。

この「突発的な危険」をスムーズに察知し、的確に対応するためには、生き物の身体は常に、何らかの「ストレス状態」であることが必須なのです。

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